またまた、良書に出逢ってしまった。
数字をメモしながら読みました。メモが必要な本なんて!数字嫌いなのに!と思いつつも、どんどん、引きこまれて行きました。
外圧による通貨問題のごたごた。物価が跳ね上がり、商人は商品の値をあげることで利益を得ることが出来るけれども、武士のような給料を貰っている者達には、暮らしが困難になり、その不満が攘夷運動を引き起こし、やがて幕府を倒す力になっていく・・・という歴史の見方を知ることが出来てよかった。
こういう「ものの見方」を知ることは、必要だと思う。歴史を知る、ということは、こういうことだと思った。
その外圧というのが、外交官ハリスの私欲や、オールコックの無能さに寄るものだったとは。
教科書にも載る位のハリスが、そのような私欲の塊で、国益より私欲を重視し、嘘で塗り固めた行動をとっていたとは。 また、水野が、1ドル=1イチブになるようにニシュ銀を投入したということも驚きです。
そのような有能な日本人もいれば、外圧に弱い役人もいた。そして、外圧に屈した・・・。
最後の最後に、英国のアーバスナットの話で、とてもスッキリするような本の構成で、これには、意見が分かれるところかと思いますが、わたしは理解の補足に役だったので良かったと思いました。
図書館の期限があったので、2度目はさらーっと読み直しただけですが、また、じっくり読みかえしたい本でした。