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「流」東山彰良

流 (講談社文庫)

東山 彰良/講談社

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1975年、蒋介石が亡くなり、主人公の祖父も謎の死を遂げたところから物語は始まります。
祖父を殺したのは誰か?という「ミステリー要素」と絡めて、当時の中国から流れ着いた国民党の一族の台湾での生活や、共産党との争い、思想、台湾の風景など、生々しくリアルの書かれていて面白かった。台湾には2度行ったことがあり、中でも迪化街は、割と好きというか、個性的で印象に残る街だったのだが、そこの布屋の主人という設定もまたいい。チンピラに揉まれ、人生を自分の足で歩く若者が、やがて日本へ来て、祖国中国へ渡るまでの何年もの月日を描き、青春小説ありの、歴史小説的な要素もあり、の、土臭いというか、泥臭い部分もありの、あとは、なんというか・・・戦争中だろうが、戦後だろうが、結局、人は誰かに助けられ、助けて生きていくんだ、という中国人だったか台湾人だったかの台詞が印象に残りました。人のつながりを大切にする、実に、「アジア的な物語」でした。

by chocotto-san | 2019-05-03 16:58 |
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